少年は青年向けを探す旅にでる 昭和の終わりごろ
世界遺産で有名な近畿地方のとある街に私は生を受け多感な少年時代を過ごした
父親から受け継いだフニャフニャの天パのお陰で若干のいじめはあったものの
友達との記憶はほぼ楽しいものしか残っていない
あれはたしかまだ小学校6年ぐらいのときだったと思う。
同級生の早川くんが成人向けの雑誌を所持していた
これは我々にとってはかなりのカルチャーショックで、一同がそれを閲覧したかったのだが、道端で堂々とみるわけにもいかず我々は普段あまり立ち入る事のない団地の裏山にダッシュした。
イメージとしてはだいたいこれに近い
裏山で我々は成人向け雑誌を回し読みし、大人への階段を上り始めた
もう20年以上は前のことである。もう時効だろうか
それとも私のこのブログを閲覧した警視庁サイバー犯罪化に御用になってしまうのだろうか。補足だが、私は仕事中にこの話をじわりと記憶の彼方から引き出しながら帰りのコンビニでジュースを買って帰ろうとふと成人向け雑誌コーナーを見ると驚いた
まだ雑誌自体が存在したのである「!!!!!」
それはさておき話の続きである。
早川くんがどこからか新作を入手するたびに我々は裏山に行き堪能した
するとある日誰か一人がこう叫んだ「こっちにめっちゃある!」
行ってみるとそこには打ち捨てられた成人向け雑誌が何冊もあった
早川くんの持っているものは早川くんの所有物であり、閲覧は可能だが所有することはできない。だが、落ちているものなら最初に見つけたものに権利があるー
これは極めてシンプルな理屈であり真理であった
こうして我々は財宝を探す麦わら海賊団のように仲間を集め
大規模な捜索活動を始めた
もちろん、敵などいないが手に武器を持っている。
我々の捜索は身を結び、次々と雑誌を発見することに成功した。
おおよそ3日ほどの山狩りで収集できたのは20冊ほどだっただろうか
それでも我々には大きな収穫だった。家に持ち帰ることはできなかったが
このドキドキしながら裏山を駆け回った期間は忘れることができない。
今の少年たちはこのような宝を探す体験をすることができるのだろうか?
激動の昭和の終わりごろの話