「ブランド」とはなにか、実態のないものが付加価値を生み出す理屈
キャンプ用品大手「コールマン」に排除措置命令へ 公取委
キャンプのヘビーユーザーでなくともコールマンの製品を持っているという方は多いのではないだろうか。
ショッピングモールのスポーツ用品の店やホームセンターに行くとほぼ100パーセントで置いてあるこの「アウトドアブランド」は4月4日公取委に独占禁止法に基づく排除措置命令を課された。
小売店に対する値引きを禁止したためである。
これに関して私はコールマンを擁護するつもりはない、法律は法律なのだ
ルールの範囲で販売戦略を考えるのが商売である。
たとえばこれからキャンプ用のテントを買うとしたら
たとえばこれからの季節キャンプに行くとしてテントが必要になったらどのテントを購入するだろうか?
A よく知らないメーカーの7980円のテント。
B コールマンの13980円のテント
C THE NORTH FACE の39800円のテント
人によってばらつきはあるだろうが年に2回から3回の使用なら私はBのコールマンのテントを購入する。たとえコールマンについての知識がなかろうともだ
なぜなら世の中の商品の大半は「価格」=「品質」+「デザイン」
という法則があり、安いと「品質」が不安になる、購入金額が安くても「品質」が悪いともういちど購入する必要がありかえってコストがかさんでしまう
なのでAは購入しない。ただAMAZONや楽天等で多数の品質に関するレビューがある場合は購入することもある
Cは品質とデザインはいいが高すぎる、予算オーバーだ、となったときBのコールマンのテントに行き着くのである。
この品質とデザインとコストのつり合いがコールマンの絶妙なとこなのである
ブランドがもつ付加価値はなにか
こういう風にしてたくさんの消費者が購入することで「コールマン」はキャンプ用品でのシェアを伸ばしてきた。「コールマン」という名前が認知されて消費者が名前によって安心して購入することになる。この品質に対する安心感が「コールマン」というブランドが持つ付加価値である。
コールマンが不正をしたのもこういう側面もあるのではないだろうか
小売店に価格を引き下げられてしまうと消費者の品質に対する安心感が薄まってしまうと考えたのではないか
「ブランド」はまず名前が認知されないと意味を持たない
「GUCCI」の創業者は「GUCCI」のブランドを他人に譲り自ら新ブランドを展開したが、全く売れなかったという。
つまり一般の消費者が「優れたデザイン」もしくは「優れた品質」と思っているということが「ブランド」なのである
GUCCI本人が立ち上げた新ブランドはデザイン性に優れていたかもしれない
ただ、みんなそんなこと知らなかったのである
ブランドを形作るプロセス
以上の点を踏まえるとブランドの形成に必要なのは
多くの人に知られる広告戦略と価格の設定となる。
特に価格というのは不思議なものであって「安い」ということがマイナスに働くことが多分にあるのだ。
世間一般に「安い」と思われているものを身に着けていると「安い」ものしか購入できないと考えられてしまう。
そこそこいい服を着てインナーはユニクロという方も多いと思う
ブランドは個人の「経済力」の目盛りとしての役割もあるのだ
しかし、値段が高すぎると購入意欲を阻害する。
ブランドとは複雑極まりないミステリーでもあるのだ