まるさんの記憶をたどる旅

子供から最近まで記憶と思いを辿るブログ

奈良市西大寺にあった中華「らいらい」の店主のオヤジの話 伝説の焼肉ラーメンとから揚げ定食

アマチュアフードファイター 全滅

中学校の頃、私の食欲はピークに達していた。朝ごはんこそパン食だけで済ませていたが昼飯は大きい弁当を食べ、さらに菓子パンをたべ、部活が終われば駄菓子屋で駄菓子やコーラを買って食べながら帰り、さらに夕食ではどんぶり三杯のご飯を食べていた。

とにかくいつでも空腹だった。

私はサッカー部に所属していて顧問の先生がサッカーにあまり詳しくなかったので浅井先輩という20代のOBが私達のコーチをやっていた。

私は補欠の補欠だったので浅井先輩との接点もあまりなく正直浅井先輩の事が嫌いだったがある日たまたまレギュラーの同級生と一緒にいた処、突然浅井先輩がこんなことを言い出した

「おまえら「らいらいらーめん」って知ってるか?」

無論、私は知らない

同級生もみんな知らなかった

「らいらいらーめんの「焼肉ラーメン」うまいぞ。今日連れていってやるけどいくか?」

焼肉ラーメン、、、

焼肉ラーメン、、、、

焼肉ラーメン、、、、

焼肉ラーメン???

当然、私はラーメンが大好きだ、そして焼肉も大好きだ。

しかし、この二つが融合した料理など初めて聞いた。中学生の私にとって余りにも魅力的なオファーであった。

その夜、近所の閉店後のスーパーの前に集合した我々を浅井先輩が車で迎えにきてくれた。

人数は浅井先輩を含め全部で6人、浅井先輩以外は皆人生で一番食べる中学3年である。

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写真は奇跡的にネットで拾った数少ない店内の写真である。

もう「らいらい」の店内を撮影した写真はこの1枚しかない。UFOの写真の1000倍の貴重さはある。

エル字型のカウンター席があり写真に写ってない左に座敷のテーブル席が2つある。

店はオヤジ一人で接客、調理、皿洗い全部を担当し、バイトはいない。

奥の方の扉がたまに開いていて猫がはいってきたりする。

私達はオヤジの正面のカウンター席に3人、テーブル席に3人座った

我々はほぼ全員焼肉ラーメンを注文し浅井先輩が追加で唐揚げとチャーハンを追加してくれた。少し多いかと思ったが、まあ食べきれるかなと思っていたその次の瞬間、我々はとんでもない光景を見たのである

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写真は隣の席に運ばれてきた「唐揚げ定食」700円だった。

これもネットで検索できる数少ない資料の一つである。

手前にガラケーを置いているのもポイントである

 

「!!!!!!」

この瞬間我々は悟った。

このサイズの焼肉ラーメンと、このサイズのチャーハン、このサイズの唐揚げが運ばれてくることを

私は厨房の中を見ていた。オヤジはまずラーメンを完成させた後中華鍋で焼肉を炒めそしてその焼肉をそのままラーメンの上にのせた。焼肉ラーメンの完成である。

 

焼肉ラーメンは想像通り旨かった、あっという間に食べてしまった。

そして二番手のチャーハンである。このときすでに満腹感は80%には達していた

半分食べたところで限界だったがなんとか飲み込んだ。

大食いの猛者達も皆言葉を失っていた。

こうしてわれわれの「らいらい」デビューは幕をとじた

おっちゃんこの店赤字にならないの?

ただ、それからというもの私は半年に一度くらいの頻度でこの店に足を運んだ

私はとんかつが好きなのでとんかつ定食を食べにいった。

唐揚げ定食程ではないがボリュームのある定食だった。

高校の3年くらいだったか一度店のオヤジに質問をしてみた

まる「おっちゃん、こんな量で赤字にならへんの?」

オヤジ「もう赤字ギリギリや、全然もうからへんわ」

まる「じゃあなんでこのメニューでやってるの?」

オヤジ「ワシはなみんなが腹いっぱいで喜んでくれるのが好きなんや、みんなの幸せな顔みるのがワシの生きがいなんや」

その答えに私はなんと答えたかは覚えていない

ただ、こういう人に出会ったのは人生で初めてだった。

ムチャクチャかっこいいと思った。